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動物細胞を中心とする糖鎖生物学

糖鎖生物学とは

多細胞生物における細胞間相互作用とそれに引き続いて起こる細胞情報伝達において、細胞表面の糖タンパク質、糖脂質などの複合糖質が重要な役割を果たすことが例証されています(図)。しかしこれらは氷山の一角に過ぎず、糖鎖の重要性は測り知れないものがあります。現在、糖鎖が関与する生物学的現象を分子レベルで解明する研究は、最先端でチャレンジングな研究領域であり、当研究分野では、主として、生化学的、分子細胞生物学的、糖鎖工学的手法を用いて、以下の研究テーマを推進しています。(1) 受精時の細胞間相互作用における糖鎖の役割解明; (2) 初期発生過程における胚細胞間相互作用と細胞表面糖鎖の機能; (3) 神経・脳機能・精神疾患における糖鎖の重要性; (4) 炎症反応、肥満、免疫活性化における糖鎖の機能; (5) 糖鎖の医学的、農学的、工学的利用を目指して、多様な構造をもつシアル酸の全生合成経路と制御機構の解明; (6) 昆虫細胞、哺乳動物細胞における有用シアル酸含有糖鎖の合成系開発のための遺伝子・細胞工学的研究; (7) 進化における糖鎖構造の変化と種々の現象における糖鎖の役割解明。我々は、様々な生物学的現象における糖鎖の構造と機能を理解すること、その成果を農学的、医学的に応用するための基盤研究を推進しています。

糖鎖が関わる生物学的機能の一部

糖鎖を介する情報伝達の機能ドメインの研究

細胞膜上には、糖脂質や糖タンパク質に富み、種々の接着分子、受容体分子、および細胞内シグナル伝達分子を共局在させる膜ドメイン(脂質ラフト、マイクロドメインなどとも呼ばれています)が存在して、細胞における情報の認識(接着、受容)と伝達の機能ドメインとして機能しています。我々は、この膜ドメイン上の糖鎖を介する認識と情報伝達の分子機構の解明を目指しています。

糖鎖が関わる細胞機能の一部
(細胞表面や細胞内にある赤丸は糖鎖をあらわす)

シアル酸の特徴と生物学的重要性~その基礎および応用研究

シアル酸は糖タンパク質、糖脂質の糖鎖にあって、その最末端に位置し、認識、接着など分子間相互作用に直接関与します。シアル酸はN-アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)、N-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)、デアミノノイラミン酸(KDN)、およびそれらのアセチル化誘導体などの総称名であり多様な分子種をもちます。シアル酸はこの分子種多様性に結合様式の多様性が加わって、複合糖質の上に多彩な構造を演出しています。近年、シアル酸の構造多様性を更に増大させる発見が相次いでなされ、「糖鎖の構造多様性の生物学的意義を明確にする研究」の重要性が広く認識されています。我々は、多様なシアル酸構造としてKDN、修飾シアル酸およびオリゴ・ポリシアル酸に興味を持ち、その構造、存在分布、生合成、生物学的機能の解明を目指しています。

お知らせ

名古屋大学 生物機能開発利用研究センター

動物細胞機能研究室

〒464-8601 名古屋市千種区不老町

名古屋大学生物機能開発利用研究センター505号室

Laboratory of Animal Cell Function

Biosience and Biotechnology Center, Nagoya University

505, Biosience and Biotechnology Center

Chikusa, Nagoya 464-8601, JAPAN

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