設立の背景
生物機能開発利用研究センターは、1965年設立の「農学部附属生化学制御研究施設」に端を発し、1993年に「農学部附属生化学制御研究施設」と「理学部附属淡水魚類系統保存実験施設」の統合による「生物分子応答研究センター」の設置を経て、2003年4月に設立されました。設立時の当センターの使命は、高等動植物が持つ様々な高次生物機能に関する基盤的研究を推進し、その成果を応用・開発研究に繋げることによって、新たな生物先端産業の育成と発展に貢献することでした。そのために、基盤・育成部門と開発・展開部門が設置され、2つの部門が相互に協力することで、特に基礎的分野で優れた研究成果を挙げてきました。一方で、当センターの設立から15年以上が経ち、基盤的な研究成果に加えて、社会実装や産業化に結びつく応用・開発研究の成果が求められるようになり、大学での研究を取り巻く状況が大きく変化しました。この状況の変化に対応するために、当センターは、生命科学・農学部分野における基礎研究の高い活性と先進性を維持するとともに、産業の活発化、社会還元、国際貢献に繋がる開発・展開研究の重点化を図ることを新たな使命として、2019年4月1日に組織改編(改組)を行いました。
設立の主旨
2019年4月1日に組織改編後の生物機能開発利用研究センターでは、これまでの部門制(基盤・育成部門、開発・展開部門)を廃止して、「ゲノム農学研究室」(令和4年7月20日から、「発生学・システム植物学研究室」に名称変更)、「植物ゲノム育種研究室」、「植物遺伝子機能研究室」、「生物産業創出研究室」、「生命糖鎖機能研究室」の5研究室を設置しました。各々の研究室が、社会実装を見据えた基礎研究から応用研究まで一貫した先駆的研究を推進しています。具体的には、食料・健康・環境に関する様々な課題解決のためのミッションオリエンテッドな研究を展開することによって、基盤的な研究成果の社会実装の実現を目指した統合的生命科学研究に取り組んでいきます。
また、当センターの協力研究室として「器官機能学グループ(理学研究科)」、「糖鎖生命科学研究室(生命農学研究科)」を設置し、研究協力体制を整えています。
沿革
- 1993年(平成5年)4月1日
- 生物分子応答研究センター設置(農学部附属生化学制御研究施設注1と理学部附属、淡水魚類系統保存実験施設注2を統合)
- 2003年(平成15年)4月1日
- 生物機能開発利用研究センター設置(生物分子応答研究センター時限改組)
- 2019年(平成31年)4月1日
-
生物機能開発利用研究センター組織改編
部門制(基盤・育成部門、開発・展開部門)を廃止し、5研究室(ゲノム農学研究室、植物ゲノム育種研究室、植物遺伝機能研究室、生物産業創出研究室、生命糖鎖機能研究室)に組織改編
組織改編に伴い、植物細胞機能研究分野は生命農学研究科へ、動物器官機能研究分野は理学研究科へ移籍したが、組織改編後も協力研究室として研究協力体制を維持
注1:1965(昭和45)年4月1日 農学部附属生化学制御研究施設を設置(農学部東山地区に移転)
注2:1980(昭和55)年4月1日 理学部附属淡水魚類系統保存実験施設を設置