ベトナムでのイネ国家品種の開発と普及(第2弾)

2021年7月12日

生物機能開発利用研究センターの芦苅教授らの研究チームは九州大学とベトナム国家農業大学と共同でベトナムのイネ品種の育種を進め、製麺品の製造に適した品種(DCG66)を開発し、ベトナムの国家品種として登録されました(2021年6月16日承認)。この成果は2019年にベトナムで国家品種登録されたDCG72に続く第2弾の成果です。

DCG66の品種特性

含有デンプンの高いアミロース含有量により、粘性が低く抑えられること、および、糊化温度が低いことから、ベトナムで広く食される“フォー”などの麺製品の製造に適しており、また調理損失率も低い。2022年より商業流通米の生産が開始されれば、一気に普及が拡大すると期待されています。

DCG72の品種特性

優秀な短期生育性により、4月の猛暑と9月の台風被害という、ゲアン省をはじめとするベトナム北中部沿岸省の農業の最大の桎梏を解決すると同時に、稲作期間を短縮させたことで、冬場の換金作物栽培期間を拡大させ、栽培可能作物の種類を広げ、バラエティに富む多毛作の道を開きました。